はじめに |
獅子舞は、全国的に分布し、古来より民族芸能として伝えられている。各地にはさまざまな様態の獅子舞があり、郷土芸能として人々に親しまれ根付いている。 |
北陸の獅子舞の分類 |
図1.獅子舞の分類 |
【氷見獅子純型※】 【射水獅子※】 |
注1:※は「富山県の獅子舞」 富山県教育委員会1979より |
北陸の獅子舞-百足獅子-について |
日本の獅子舞の源流は大陸にあるとされている。大陸の獅子舞は、二人立ち系のものが多い。そうすると、百足獅子と呼ばれる獅子舞は、どのようにして発祥したのだろうか?・・・・。明確な答えは最終的にでないだろうが、北陸の獅子舞から辿っていけるところまでたどっていく事にする。 石川県では、ほぼ全域に百足獅子と呼ばれている形態の獅子が舞われている(ただ、金沢獅子のように胴が舞わずないものは百足獅子と言って良いか多少疑問は残るが・・・・。)。富山では、呉西に百足獅子、呉東は二人立獅子が舞われている。福井県では、神楽獅子、風流系の三匹獅子(雲浜獅子)が有名である。 全国的に見た場合、二人立ちの中国獅子や神楽獅子、風流系の一人立ち獅子が目だって見られた(インターネットや書籍)。百足獅子と呼ばれるものは、北陸発祥?と思いきや、結構他の県でも舞われていた。それも、北陸の獅子舞より年代は古い(分かっている範囲で・・・。)。山形県、長野県、静岡県、滋賀県にも百足獅子は存在した(他にもあるかもしれないが現在知る限りではこんだけ。)。 長野県の大島山瑠璃寺の獅子は、金沢の獅子とかなり同じ様態を示している。大島山瑠璃寺の獅子は、胴が舞わず、胴の中に囃子が入る(屋台獅子と呼ばれている。)。金沢獅子も同様、胴が舞わず、胴の中に囃子が入る(一部地域では囃子が胴の中に入らないところもある。)。ただし、獅子に対する演舞者の扮装や演目はまったく異なる。大島山瑠璃寺の獅子の獅子舞は、1112年に滋賀県坂本より伝承されたと言う。金沢獅子では、現存する獅子頭で古いものでも大体1650年ごろとらしい。 ところ変わって、山形県長井市の黒獅子は、神輿の先導役としてツユハライ(先祓い)し、家々をまわっていく。胴の中には20人程度が入る。先にあげた富山県でみられる行道獅子と似ているとこがある(胴に入る人数、村周りと言う点は異なるが・・・・。)獅子頭も、鼻が大きく、目も大きく丸いと言う点で酷似している。長井市の黒獅子の歴史をさかのぼると、1050年ぐらいになると言う。行道獅子で使われる獅子頭は、分かっているものの最古のもので、富山県では1481年らしい。伊勢神楽系の獅子ではあるが、石川県で現在残っている最古のものは、1372年らしい。 つづく・・・ |
わが故郷の獅子舞 |
今回、石川の獅子舞を知る上で、石川県教育委員会から出ている「石川県の獅子舞-獅子舞緊急調査報告書-(1986.3.)」にお世話になった(挿絵の写真に小さいころの姉貴が写っていたので、かなり驚いた。)。しかーし、私の地区の獅子舞の調査がちょっとアマイ!まぁ他にも調査しなければいけない所が多々あるのだから大変だろうけど・・・。よって、ここで訂正を・・・・。ちなみに私の田舎は石川県の穴水町甲(黒崎)。調査が甘いという理由は、獅子殺しがないと記載されていた点である。 黒崎の獅子舞は、獅子あやしは小学生、囃子方は中学生、高校生で構成される。獅子方は、青年団が行う。獅子頭は小型で、頭持ちを合わせ胴幕の中には3人入る。胴幕の中には竹の輪がひとつ入る。囃子は、太鼓と笛のみである。獅子あやしの服装は、模様入りの着物にモンペ、欅掛、手甲、白足袋、草鞋である。獅子舞の演目は、「三人衆」、「大太刀」、「マサカリ」、「二本棒」、「一本棒」、「獅子殺し」、「ニワカ踊り(両太刀)」である。三人衆は、基本的に女の子で構成される。大太刀、ニワカ踊り、一本棒は男の子が優先される。獅子殺しは、必ず小学校高学年の男の子が舞うことになっている。 甲は、大甲、小甲、黒崎、阿曽良、宮古の五地区に分けられる。それぞれの地区には地域神が祀られている(黒崎の場合は白山神社が地域神)。この五地区の総産土神として、大甲にある加夫刀比古神社が存在する。加夫刀比古神社の秋祭りは引き舟祭りともよばれ、大甲の浜から黒崎の浜まで二基の神輿が船にのりやってくる。神輿は村周りをしつつ、大甲の神社へと戻る。獅子舞は、神輿が黒崎についてからツユハライ役として、村周りを行う。加夫刀比古神社につくと、獅子舞を奉納するが、このときは獅子殺しは行わない。一通り神事が終わったあと、黒崎に戻り、白山神社の前の広場にて「獅子殺し」が行われ祭りが終わる。 |
未訪問の獅子舞の日程-地元の方及び役所へ問い合わせた地区の獅子舞- |
名称 |
獅子型 |
神社・寺 |
日程 |
住所 |
城村の獅子舞 |
金蔵獅子 |
八川神社 |
4年に一度(前回-2004年4月初旬) | 富山県富山市城村 |
稲代の獅子舞 |
金蔵獅子 |
稲代住吉神社 |
2年に一度(前回-2005年4月2日) | 富山県富山市(旧大沢野町)稲代 |
東種の獅子舞 |
氷見獅子 |
白山神社 |
04/18 | 富山県中新川郡上市町東種 |
気多神社の春祭り |
行道獅子 |
気多神社 |
04/18 朝8時ごろより | 富山県高岡市伏木一宮 |
ボンボコ舞 |
- |
西宮神社 |
約5年に一度(前回2001年) 4月19・20日の例大祭 2007年実施可能性大。 |
富山県射水市(旧新湊市)本町 |
岡田の獅子舞 |
金蔵獅子 |
刀尾神社 |
不定期 | 富山県富山市(旧大山町)岡田 |
沓掛の獅子舞 |
新川獅子 |
- |
9月第4土日 | 富山県黒部市沓掛 |
椚山の獅子舞 |
新川獅子 |
- |
10月第1週土日(変更あり) | 富山県下新川郡入善町椚山 |
青木の獅子舞 |
新川獅子 |
- |
10月体育の日の次の土日・・たぶん 終日15時位まで | 富山県下新川郡入善町青木 |
木根の獅子舞 |
新川獅子 |
- |
10月体育の日の次の土日・・たぶん | 富山県下新川郡入善町木根 |
下立の獅子舞 |
新川獅子 |
- |
10月21日付近 | 富山県黒部市(旧宇奈月町)下立 |
上野の獅子舞 |
金蔵獅子 |
- |
前回2005/10/16 | 富山県富山市(旧大山町)上野 |